2023年新卒エンジニア研修


はじめに

2023年新卒エンジニアの武智です。 今回は2023年新卒エンジニアが3ヶ月間共通で受けた研修について、研修の内容と感想を記事にしようと思います。

この記事では、全3ヶ月の研修の内、以下の内容を扱います。

  • 毎日の読書/朝会/振り返り会
  • 1ヶ月の基礎研修
  • 1ヶ月の個人研修
  • 1ヶ月のチーム研修
  • その他

毎日の読書/朝会/振り返り会

3ヶ月の研修中、毎日9:00〜10:00で読書、10:00〜10:30で朝会、17:30〜18:30で振り返り会をしました。 読書は課題図書が指定されており、50分読んだ後、10分ほどオンラインMTGを繋いで同期+メンターさんたちと内容を共有する、という形で行いました。

課題図書は「図解即戦力 Web技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書」や「Team Geek」、「達人プログラマー」、「入門監視」などがありました。技術的知識の基礎からチームで働く際のマインドまで、プログラマーとしての基礎知識が広く習得できるような構成になっていたと思います。

また、僕は大学までの専攻が化学であり、プログラミングのバックグラウンドを持たなかったのですが、Webの基本のレベルから学習させて頂けたため、不安なくその後の課題に取り組むことができました。加えて、個人の理解度に合わせて、分かっている範囲はスキップしても良いなど、フレキシブルさがあったのも良いポイントだったなと感じています。

朝会は、その日やることを整理して共有しました。 振り返り会は、その日したこと/一日のKPTをまとめて共有しました。 朝会/振り返り会は、一日一日手堅く学習しつつ、改善のサイクルを作る練習になったと思っています。

また、これらは基本的にリモートで行われるため、朝は比較的ゆったりと過ごすことができました。リモートワークだと生活リズムが乱れてしまいがちなので、朝が早いのは個人的にありがたかったです。(人事の方にはドワンゴのエンジニアが9:00に出勤!?と驚かれましたが)

また、朝会と振り返り会のおかげで、同期やメンターさんたちと雑談する機会が確保されていました。とは言っても、雑談を強制されるわけではなく、話したいときに話す、というゆるい感じの雰囲気でした。

以下は少し慣れてきた頃の振り返り会の様子です。みんなで海賊になっています。

海賊

海賊

社会人経験も初めて、かつリモートワークも初めてで、入社前に少しコミュニケーション面を不安に思っていた自分には、とてもありがたい仕組みだったなと感じています。

基礎研修

基礎研修は、N予備校の教材を使いながらweb技術の基礎を学ぶ研修や、AWSについて学ぶ外部講習がありました。

「HTTPリクエストとは何か」といった基礎知識の座学から、JavaScriptを用いてBot開発のハンズオン、JavaScriptのWebフレームワークであるExpressを用いた予定調整Webアプリ開発などを行いました。ただ動くコードを書くだけでなく、テストの書き方やデプロイの仕方といった部分まで含めて学習することができました。

ここでは、読書で得た知識を、実際に手を動かすことで理解していくというサイクルを回すことができました。僕はJavaScriptをほとんど触ったことがなかったのですが、「知識のない言語を短期間で学習して、動くものを作成する」というプロセスは、エンジニアにとって大切な「学習の仕方」を考える良いきっかけになったと思います。

また、ドワンゴの各サービスでAWS活用が進んでいるため、今年からArchitecting on AWS という研修を受けることができました。AWSから講師の方に来ていただいて、座学2日/ハンズオン3日で行いました。 僕は個人サービスのホスティング経験などが少なかったため、AWSのコンポーネントの概要理解で精一杯ではありましたが、こちらも座学とハンズオンがうまく組み合わされており、研修が終わる頃には簡単な構成図が書けるようになりました。

個人研修

個人研修は、基礎研修で学んだJS/Expressをベースに、簡単なブログサービスを作成しました。ここでは、シンプルではありますが、

  • エンドポイントやテーブルの設計
  • JS/Expressを使ったアプリ開発
  • EC2を使ったAWS上へのホスティング
  • AWSの運用にかかるコストの見積もり
  • GitHub Actions を使ったCI実行
  • セキュリティ対策

など、基礎研修で学んだ概念を実際のプロダクト作成で復習することができました。僕はWebアプリを作る一連の流れを通して行った経験がほとんどなかったので、Web技術の全体像をハンズオンで概観できたのが良かったなと思います。

特に、「簡単すぎず、難しすぎない難易度設定」は、学習効果が高く適切だったなと感じています。処理がイメージしやすく、チュートリアルなどでもよく見られるブログという題材だったため、最初は「時間が余るかもな」くらいに構えていたのですが、実際には時間が足りなくなりました。安全かつ安定に動作するプロダクトを作成することの難しさを、研修という良い形で知れたなと思います。

また、技術的に余裕のある人は、「JS/Express でなく他の言語やフレームワークを用いても良い」という設定もありました。実際、フロントをReactやNext.jsなどに置き換えて実装していた人もおり、個々人の力量に合わせた調整が可能になっていたのも良い点だったと感じています。

作成したプロダクトは、中間/最終お披露目会をしました。 中間お披露目では、先輩方による攻撃を受けたりしました。

改ざんにより攻撃される僕のブログ

また、最終お披露目で、僕のブログサービスは同期の攻撃(カバオのアスキーアートを大量に投稿された)によって破壊されましたが、それも今となっては良い思い出です。

カバオによる攻撃を受けた際のサーバーログ

チーム研修

チーム研修では、基礎研修/個人研修で得た知識を活かして、3~4人の2チーム(チームワイワイ/チームAgelaste)に分かれ、僕はAgelaste(フランス語で「笑わない人」という意味です)のメンバーとして、Agelasteというニコニコ動画クローンサービスを作成しました。

ここでは、個人課題で学んだことの復習に加えて、

  • チームでの仕様/設計などの意思決定の仕方
  • チームでの共有や質問の仕方
  • 効率の良いタスク分担の仕方

などを学びました。

Agelaste の仕様/設計の大枠は、みんなで会社に集まって決定しました。また、それを元に作成したタスクはJIRAでチケット化しながら、全員で見積もりをして進めました。

チームメンバーは皆バックグラウンドや持っている技術的な知識が異なりますが、みんなで集まってワイワイ話しながら作業ができたことで、課題があっても解決しやすかったし、チームの仲も深まったと思います。

複雑なタスクでは、他の人と同じ画面を見ながらコードを書く、モブプログラミングを行ったりしました。これは、今まで基本的に一人でコードを書いていた僕にとっては、他の人の作業の様子を見て真似する良い機会になりましたし、単純にとても楽しい経験でした。

開発物は、個人課題と同様、お披露目会を行いました。せっかくなので、完成したAgelasteの写真を載せようと思います。

完成したagelaste

また偶然にも、Agelasteは社員寮のメンバーが多かったので、日替わりで誰かの部屋に集まって作業することが中心となり、botを作って部屋を決めたりしました。

ガチャで部屋をきめる人たち

これにより、寮近辺のお昼を一緒に食べに行ったり、おやつパーティーを開催したりと親睦が深まるきっかけになりました。

おやつパーティー会場

研修後も、気が向いた時に出社したり、週末にご飯を食べに行ったりと、同期たちとのコミュニケーションは良い気分転換になっています。

その他

その他に、エンジニア共通研修とは直接関係ないですが、今年の研修に付随して行われた取り組みもご紹介しておきます。

まず、毎週水曜日に懇親会としてランチ会をしました。初めはエンジニア同期の中だけで行われていたのですが、途中から今年の新卒をメインに、エンジニア以外の職種の方も含めて行く場合もあり、良い交流の機会になりました。これは現在も続いていて、気が向いた水曜日に出社する文化となっています。

また、水曜日にはボルダリングに行ったりもしました。たまたま研修をしてくださった先輩方がボルダリングが好きだったことから、新卒の有志で行っていたこの活動ですが、こちらも現在も続いており、コロナ期間中に活動が停止したボルダリング部が、再び新卒の手によって復活するかもしれない勢いで勢力を拡大しています。

壁から落ちる同期の様子はGIF画像化され、汎用Slackスタンプとして使われています。(本人作成)

壁から落ちる同期のGIF

基本をリモートとしつつも、このような対面でのコミュニケーションの機会も用意していただけたのは、交流のきっかけになりますし、ふと疲れた時の気分転換にもなるので、個人的にとてもありがたいなと感じました。

おわりに

今回は、2023年新卒エンジニア研修について、研修を受けた新卒目線で紹介させていただきました。この記事を通して、少しでもドワンゴに興味を持っていただけたら幸いです。

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