VimConf 2017のスポンサーをしました

はじめに

こんにちは。
第二サービス開発本部所属、新卒エンジニアのmoppです。
先日(2017/11/04)にVimConf 2017が開催され、ドワンゴもスポンサーとして協賛しました。

記事タイトルでは"スポンサーをしました"とありますが、私個人が運営の一人でもあります。
当日は司会の役を務めさせていただきました。
VimConf 2017はブログを書くまでがVimConf 2017ですので、スポンサーをした報告兼、運営の司会としての視点からブログを書きたいと思います。

既に40件程のブログ記事を参加者の皆さんが公開されており、公式ページに掲載済です。

VimConfとは何か?

Vim、そう、あのテキストエディタ、Vimです。
VimConfはVimmerによるVimのための世界唯一にて最大の国際カンファレンスであり、日々のVim活動(以降、Vim活)の成果を存分に発表し、多様なVimmerとコミュニケーションを取る場です。

参加者の全体写真

オープニングスピーチの写真

VimConfは2013年に第1回が開催され、それ以降毎年開催されてきました。
そんな中でもVimConf 2017は会場、参加者、発表内容、全てが最高のものであったと断言します。

運営に参加した経緯

今年からエンジニアとしてドワンゴに入社し、都内に引っ越して来ました。
そして、いろいろな場所で開催されているVim勉強会に参加しやすくなり、以前よりVim活を増そうとしていたところ、運営の一人に声をかけて頂き、VimConf 2017の運営に参加することになりました。

具体的に、私が運営に参加したのは6月からです。
この時点で既に会場候補や全体のふんわりとした構成は定まっていました。
それから、何度も都内某所にて打ち合わせを重ねて、スポンサー探し、ホームページの整理、各種業者への依頼などなどを行いました。
運営みんなが個人の予定や仕事がある中で、合間を縫って計画を立てじわじわと進行しました。

運営をしていて特に印象深かったものは、登壇者の採択でした。
今回のVimConfでは登壇者の一般応募を行いました。
応募者全員がとても聞きたくなるよう内容で応募してくださったため、運営全員で2時間ほど、わやわやと話し込みました。
これがちょうど開催1ヶ月前の10月のことです。

弊社でスポンサーをするに至った経緯

そして、スポンサーの募集をかけようとなったとき、弊社からも出して欲しいなと思うのは自然なことです。
しかし、新卒の社員がいきなりこんな話を持って行っていいのか…?と考えつつドワンゴ 技術コミュニケーション室の塩谷(@kwappa@friends.nico / @kwappa)に相談したところ、5分ほどでOKの返事を頂き、弊社もスポンサーに加わることになりました。

運営として、司会としてVimConf 2017を終えてみて

まず、当日に大きなトラブルも無く無事に終えられたことを非常に嬉しく感じています。
運営は全6人だったので、当日大分ばたばたしてしまったところはありましたが、Twitterや会場の皆さんを見ていると満足して貰えたかなという印象でした。

記事冒頭の写真からも伝わると思いますが、会場も今までの中で最大の広さでした。
最大収容人数は200名弱です。
スクリーンも大きく、スタンドマイクにピンマイク、壁際に大型スピーカーが複数台と音響設備も充実しており、当日の発表はしっかり記録してあります。
(これは後日公開予定です。)

そして、VimConf 2017は今までのVimConfと違い、以下の理由より、国際カンファレンス感が非常に強くなっています。

  • 発表スライドは英語のみ
  • 登壇者9人中4人が英語発表
  • 発表の日英、英日への同時通訳
  • 司会は全て英語

そんな中で司会をするのは初めての経験でした。
私は英語が堪能なわけではありません。
ですが、逆にそのような人がやったほうが、今後やネット上でのOSSとしてのVim活に対して、英語に自信はないけどVimがしたい!という人が自信を持ってくれるんじゃないか、と考えて司会に名乗りを上げました。
事前に当日の流れを想定し、台本を書き、レビュー受け、練習をしましたが、 当日はやはりいくらか緊張しました。

もちろん、それ以上に良い経験でありました。
登壇者一人ひとりと会話することができたこと、間近で発表を見ていられたことが一人のVimmerとしてとても嬉しかったです。

Fatihさんと会話している写真

発表を舞台袖から見ている写真

ここで司会をしつつ、舞台袖から見ていた所感を、当日の流れに合わせて簡単に振り返って見ようと思います。
以下が素晴らしき発表スライドと登壇者の方々です。

当日の発表スライド一覧

  1. Vim, Me and Community @haya14busa
  2. The Past and Future of Vim-go @Fatih
  3. Creating Your Lovely Color Scheme @cocopon
  4. vmp: the most ambitious vim emulator @t9md
  5. Vim and Compatibility @senopen
  6. Neosnippet.vim + Deoppet.nvim in Vim conf 2017 @ShougoMatsu
  7. How ordinary Vim user contributed to Vim @dice_zu
  8. The new syntax highlighter for Vim @p_ck_
  9. You’ve been Super Viman. After this talk, you could say you are Super Viman 2 ~ Life with gina.vim @lambdalisue

最初の2人はkeynote発表でした。
haya14busaさんはvim-easymotionのメンテナです。
発表ではどのようにして、彼がプログラミングに触れたところから始まり、どうVim pluginを作り、Vim本体へコントリビュートしていったのか?というお話でした。
一人の力ではここまでこれなかったと語っていた彼がとても楽しそうに見えました。

続いてのFatihさん発表では、go言語を書いたことが無かったので、わかるかな?と少し心配でした。
結論から言うと、go言語、書いてみようかな?という気持ちにさせてくれる発表でした。
上に掲載した写真は、彼と私が会話しているところです。
また、懇親会でお話した際、英語発表での速度や発音、語彙など気をつけていると言っており、とても親切な人でした。

cocoponさんの発表スライドはカラースキームを如何にデザインするか、であり私にとって新鮮な内容でした。
発表を聞いている私の写真を上に掲載しています。
彼曰く、我々は一日の三分の一の時間カラースキームを見ている、とのことです。
言われてみるとそのとおりですね。
スライドの配色も彼の作ったVimカラースキームIcebergの色になっており綺麗でした。

t9mdさんはなんと、AtomのPluginについての発表です。
Vimじゃないのか!と思うかもしれませんが、彼はVimをとても深く理解しています。
簡単に言うと彼はAtom上でVimの操作性を再現する、vim-mode-plusというパッケージを作成しています。
デモが多めの発表でしたが、これは自分のVimでもやりたい!というデモの連続でした。

senopenさんの発表は後方互換を保った.vimrcをどうやって記述するか、でした。
一度書いたらどこでも動く、ということを成し遂げるには非常に気を使わなくてはいけないのだなと改めて実感をしました。
私は最新版で動けばよかろう、という主義でしたが、彼の発表を聞いたあとだと少し気をつけようかなと思います。

ShougoMatsuさんの発表、分かる人ですと、暗黒美無王と言ったほうが早いですね。
snippetプラグインの実装方式の解説と絶賛開発中の次世代のsnippetプラグインであるdeoppet.nvimの解説でした。
neosnippet.vimを私もかなり愛用しているので、期待が高まるばかりです。

p_ck_さんの発表は現在のVimのsyntax highlighterの問題の指摘と、改善するためのRubyによる実装の提案でした。
ここまでの発表でVim scriptは遅いという指摘が多々出ていましたがその一つを改善するためのもので興味深かったです。

lambdalisueさんの発表は勢いにあふれていて聞いていて楽しいものでした。
内容は少し前から私も使い始めたGina.vimについてでした。
私はgitのGUIツールはなんだか肌に合わないな、と敬遠していたのですが、Gina.vimはとても手に馴染みます。
ここで説明をするには余白が足りなさ過ぎるので、気になった方がとりあえずインストールしてhelpを読んでみましょう。

上記の発表以外にも、お昼の時間にはVim鼎談と称して、kaoriyaさん、mattnさん、k-takataさんのトークショーがありました。
彼らがVimに初めて触り始めたのはいつ頃か、想い出深いパッチは何か、など、彼らにしか出来ないような会話が盛り沢山でした。

最後に

このように素晴らしいカンファレンスとなり得たのは、登壇者、参加者、弊社も含めた各社スポンサーの皆様の支援あってのことでした。
この場を借りて、運営として、スポンサーとして、お礼を述べさせて頂きます。
ありがとうございました。

そして、VimConf 2018でお会い出来ることを願っています。

mopp